海外安全情報(危険情報:ロシア)

平成28年8月29日
【危険度】
●チェチェン,イングーシ,ダゲスタン,北オセチア・アラニア,カバルダ・バルカルの各共和国
:「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)。」(既に滞在中の方は,退避手段等につきあらかじめ検討してください。)(継続)
●スタヴロポリ地方及びカラチャイ・チェルケス共和国
:「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)。」(継続)
●上記を除く地域(首都モスクワ市を含む)
:「レベル1:十分注意してください。」(継続)

【ポイント】
●ジョージアと国境を接する北コーカサス連邦管区では,武装勢力による襲撃や自爆テロ事件,誘拐が発生していますので,渡航は止めてください。
●北コーカサス地域を拠点とする武装勢力が「ISILコーカサス州」と称して活動していると報じられています。渡航は止めてください。
●ウクライナとの国境付近における緊張状態の継続等に十分注意してください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。


1.概況
(1)イラクやシリアで活動しているイスラム過激派組織ISIL(イラクとレバントのイスラム国)には多数のロシア人が参加しているといわれており,帰還したイスラム過激派分子によるロシア国内でのテロの懸念が生じています。また,2015年9月末にロシアがシリア北部への空爆を開始した後,ISIL等はロシアを攻撃対象とする旨の声明を発出した他,10月31日にシナイ半島でロシア航空機が墜落した事案についてもISIL系の組織が犯行声明を発出しています。今後もシリアからの帰還者やISILの影響を受けた者等によるテロへの警戒が必要です。

(2)北コーカサス連邦管区(チェチェン,イングーシ,ダゲスタン,北オセチア・アラニア,カバルダ・バルカル,カラチャイ・チェルケスの各共和国及びスタヴロポリ地方)では,武装勢力による襲撃や自爆テロ事件,誘拐が発生しています。特に,チェチェン,イングーシ,ダゲスタン,北オセチア・アラニア,カバルダ・バルカルの各共和国では,警察等の法執行機関関連施設のみならず不特定多数の人が集まる場所をねらった多数のテロ事件が発生しており,武装勢力や犯罪組織が警察等政府関係者や一般住民を誘拐,襲撃するケースなども見られます。また,北コーカサス地域を拠点とする武装勢力が,ISILに忠誠を誓う旨の声明を発出し,「ISILコーカサス州」と称して活動していると報じられています。これら武装勢力がテロを画策するおそれもあり,これらの地域の情勢が安定するには長期間を要すると見られるため,今後も警戒が必要です。

(3)現下のウクライナ情勢や国際的な原油価格の下落によるルーブルの下落を受け,食料品を中心に物価が上昇し,市民生活にも影響が生じ,景気後退による一般犯罪の増加や愛国主義の高揚による排外主義的機運の高まりにつながる可能性もあり注意していく必要があります。また,ロシアとウクライナとの国境付近は,現下のウクライナ情勢に伴い緊張状態にありますので,十分注意してください。

(4)モスクワ市などの大都市では,過去に,地下鉄駅や国際空港において多数の死傷者を出したテロ事件が発生しており,引き続き地下鉄,空港,主要都市間の鉄道等の公共交通機関,連邦保安庁(FSB),内務省等治安機関(交通警察検問所を含む)をねらった自爆テロや爆弾テロが発生する可能性があります。最近,爆発物を仕掛けた等の不審電話によりショッピングセンターや公共交通機関において,当局の指示で一時避難措置がとられる事態が頻発しています。その場合には落ち着いて当局の指示に従って自らの安全を確保してください。

(5)これまでに,ロシアにおいては,日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,パリ,ブリュッセル,イスタンブール,ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

2.地域別情勢
(1)チェチェン,イングーシ,ダゲスタン,カバルダ・バルカル,北オセチア・アラニアの各共和国:「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」(既に滞在中の方は,退避手段等につきあらかじめ検討してください。)(継続)
 これらの地域においては,武装勢力による攻撃や自爆テロ事件がこれまで多数発生しており,特に,チェチェン,イングーシ,ダゲスタンの各共和国でのテロの脅威には警戒が必要です。これらは主に警察等治安機関を標的にしたものですが,一部には不特定多数の人を標的としたテロも見られ,民間人にも多くの犠牲者が出ています。2015年においては,12月にダゲスタン共和国の観光地において,銃撃によるテロ事件が発生しており,その後,2016年に入ってからもダゲスタン共和国やチェチェン共和国において警察等の治安機関を標的とした爆弾テロが発生しています。これらに対し,連邦政府は,連邦保安庁(FSB)を中心に大規模な掃討作戦(反テロ作戦)を継続的に行っており,武装勢力と当局との間で銃撃戦が頻繁に発生しています。しかしながら,武装勢力の活動を完全に阻止するには至っておらず,治安情勢は依然として不安定です。
チェチェン共和国では,ロシア当局の集中的な掃討作戦によって,武装勢力は主要メンバーの多くを失い弱体化しているといわれていますが,北コーカサス地域を拠点とする武装勢力がISILに忠誠を誓う旨の声明を発出し,「ISILコーカサス州」と称して活動しています。2016年には同名でロシアへのテロを呼びかけるビデオ声明も出されており,テロが発生するおそれもあることから警戒が必要です。イラクやシリアで活動しているISILには多数のロシア人が参加しているといわれており,今後,ISILから帰還した者やISILに共鳴するイスラム過激派によるロシア国内でのテロが発生する懸念が生じているため,治安当局も警備体制を強化していると発表しています。
北コーカサス地域の長期化する混乱の中で,こうした武装勢力の他にも,犯罪集団による誘拐,武装勢力や当局に対する個人的な報復のための襲撃,殺人事件等も発生しています。
近年の各地における主な事例は以下のとおりです。

ア チェチェン共和国
・2013年9月,スンジャ地区の警察署において,自爆テロが発生し,警察官3人が死亡し,5人が負傷しました。
・2014年4月,アチホイ・マルタン地区において,路肩爆弾により,移動中の軍の兵士4人が死亡し,7人が負傷する爆弾テロが発生しました。
・2014年10月,チェチェン共和国グロズヌィ市の劇場付近で自爆テロ事件が発生し,警察官が5人死亡,12人負傷しました。
・2014年12月,プーチン大統領がモスクワで一般教書演説を行っている日に、チェチェン共和国グロズヌィ市内において武装集団が警察署を襲撃し,その後印刷会館,学校に立てこもり,最終的には当局によって鎮圧されました。この事件では死傷者が多数出ました。
・2016年5月9日,グロズヌィ郊外の検問所にて自爆テロが発生し,警察官6人が負傷しました。

イ イングーシ共和国
・2013年8月,マルゴベク地区において,治安協議会幹部が襲撃され,運転手とともに殺害されました。
・2013年9月,ネステロフスカヤ村において,銃撃戦により,警察官1人死亡,1人負傷,不審者も死亡しました。なお,この銃撃戦の際に車両に仕掛けられた爆弾が爆発しました。
・2016年3月9日,イング-シ共和国とチェチェン共和国の境界付近で,外国人を含むジャーナリストや人権活動家一行が乗車するバスが何者かによって銃撃され,ジャーナリストが殴打されるとともに,バスが放火されました。
・2016年3月11日,ナズラニ市においてモスク近くで自動車が爆発し,1人が負傷し,イスラム教指導者等の6台の自動車が損壊しました。

ウ ダゲスタン共和国
・2013年2月,ハサビュルトの警察詰め所において,自動車爆弾が爆発し,警察官3人が死亡,7人が負傷する爆弾テロが発生しました。
・2013年5月,マハチカラの執行官事務所前において,自動車爆弾が2回にわたり爆発し,死者4人を含む40人以上が死傷する爆弾テロが発生しました。
・2013年5月,マハチカラの内務省庁舎近くの広場において,自爆テロが発生し,1人が死亡し,18人が負傷しました。
・2013年8月,マハチカラの中心部の24時間営業の商店において,爆発物が爆発し,9人が負傷し,その直後に同市内の別の商店で小規模な爆発(負傷者なし)が発生しました。
・2013年9月,フチニ村の警察署近くにおいて,自爆テロが発生し,警察官等3人が死亡,12人が負傷(民間人2人含む)しました。
・2013年10月,マハチカラ市中心部の商店前において,爆弾が爆発し,2人が死亡,15人が負傷しました。
・2013年12月,ハサビュルトにおいて,路肩爆弾が爆発し,2人が死亡,5人が負傷しました。
・2014年1月,マハチカラのレストランにおいて,手りゅう弾及び自動車爆弾が爆発し,14人が負傷しました。
・2014年8月,マハチカラの市交通警察幹部が自宅近くで何者かに射殺されました。
・2015年12月29日,ダゲスタン共和国デルベンドの古代要塞において観光客らが銃撃を受け,FSB職員1名が死亡,11名が負傷しました(ISILが犯行声明を出しています)。
・2016年2月15日,デルベンツキー地区の交通警察詰所にて爆弾が爆破し,警官2人及び民間人1人が死亡,また警官7人が負傷し,民間人も6人が負傷しました(ISILが犯行声明を出しています)。
・2016年3月29日,マハチカラ市近郊において,路肩に仕掛けられた爆発物により,治安機関職員が乗車する警察車両2台が爆破され,1人が死亡し,2人が負傷しました。
・2016年3月30日,ダバサランスキー地区の検問所付近で走行していた自動車が爆発し,警官1人が死亡し,1人が負傷しました。

エ カバルダ・バルカル共和国
・2013年7月,テレク地区において,武装集団に警察官が襲撃され,その後銃撃戦に発展し,武装集団のメンバー1名が射殺される事件が発生しました。
・2013年11月,ナリチクにおいて,非常事態省建物付近の路上で銃撃戦が発生し,内務省職員1人,襲撃した1人が負傷しました。
・2013年12月,ナリチクにおいて,警察幹部の自動車の下から爆発物が発見されましたが,警察当局により無力化されました。

オ 北オセチア・アラニア共和国
・2013年10月,ウラジカフカスにおいて,内務省職員が自宅玄関付近で射殺されました。
 なお,同共和国では,2004年にチェチェン武装勢力による学校占拠事件が発生し,約330人が死亡,700人以上が負傷する事件が発生しました。また,同共和国と国境を挟んで隣接するジョージアの南オセチアでは2008年にロシア軍とジョージア軍との間で紛争が発生しており,この地域の最新の情勢を注視する必要があります。
・2014年8月,ウラジカフカスのモスクで,イスラム教指導者が何者かにより待ち伏せされ,射殺されました。

ついては,これらの地域について危険情報「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」(既に滞在中の方は,退避手段等につきあらかじめ検討してください。)を継続しますので,これらへの渡航はどのような目的であれ,当面控えてください。既に同地域に滞在されている方は,退避手段等につきあらかじめ検討してください。また,登山のため,カバルダ・バルカル共和国を経由してロシア・ジョージア国境の山岳地帯に向かう方がいますが,上記の理由から,同共和国への渡航は当面控えてください。

(2)カラチャイ・チェルケス共和国,スタヴロポリ地方:「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」(継続)
 これらの地域では,散発的ながら武装勢力による襲撃事件や武装勢力の武器弾薬庫が摘発される事件が発生しています。また,ロシア当局による反テロ作戦が行われているため,銃撃戦などが散発しています。なお,カラチャイ・チェルケス共和国は,ジョージアと国境を接していますが,ジョージア側にはアブハジア問題があり,最新の情勢を注視する必要があります。
 近年の各地域の主な事例は以下のとおりです。

ア カラチャイ・チェルケス共和国
・2013年1月,警察署を銃撃した2人組の武装グループが,逃走中に警察に殺害されました。この武装グループは,住民2人を殺害した容疑が持たれています。

イ スタヴロポリ地方
・2013年12月,ピャチゴルスクの交通安全監督局の建物付近において,3人が死亡する爆弾テロが発生しました。
・2014年1月, 3つの異なる地区において車内から計6人の遺体が発見される事件が発生し,そのうち2地区では車両近くに爆発装置が設置されていました。
・2016年4月11日,ノヴォセリツキー地区(スタヴロポリ市から東方)において,警察署を訪れた3人が手榴弾を爆発させ,建物に侵入しようとしたことから,警官が発砲し,容疑者2人を射殺し,1人が自爆しましたが,警察職員及び一般住民には被害はありませんでした。

ついては,これらカラチャイ・チェルケス共和国及びスタヴロポリ地方について危険情報「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」を継続しますので,同地域への渡航は,どのような目的であれ,当面控えてください。

(3)上記を除く地域(首都モスクワ市を含む):「レベル1:十分注意してください。」(継続)
ア 首都モスクワでは, 2014年5月,ロシアの対独戦勝記念日にテロを企てたとして数名のロシア人が連邦保安庁(FSB)により拘束されたり,2015年10月には,シリアにおいて活動していたISILに関連があるとみられる者等がモスクワ市の公共交通機関をねらった爆弾テロを計画していたとして逮捕されました。また,2015年12月7日には,モスクワ中心部のバス停で爆発事件が発生(5名が負傷)したり,同月14日には,モスクワ市内のカフェで銃撃戦があり,2名が死亡,8名が負傷する事件が発生しました。また,2016年2月18日,FSBは,モスクワ市郊外の集合住宅の一室で偽造旅券を製造していた14人が逮捕され,犯人の部屋では過激主義に関する書籍が発見されています。更に,同5月4日には,モスクワでテロを計画していた中央アジア出身者グループが逮捕され,大量の武器,爆発物,その他機材が押収されています。これらを踏まえれば,モスクワ市において,テロを含む事件が発生し,これに日本人が巻き込まれるおそれもあることから,十分な注意が必要です。
 
現下のウクライナ情勢や,石油価格の下落,ルーブルの下落により物価が上昇し,市民生活にも影響が生じ,今後景気後退による一般犯罪の増加や愛国主義の高揚による排外的機運の高まりにつながる可能性もあり注意していく必要があります。また,当局による大規模な不法移民や無許可タクシー,両替所の摘発が継続して行われています。
一般国民による反体制抗議運動は,集会法の罰則強化やNPO外国エージェント法採択等により実施されにくい状況にはなっておりますが,2013年10月,コーカサス系住民によるスラブ系男性殺人事件に端を発し,民族間の緊張が高まりモスクワ南部で騒乱が発生しました。また,モスクワ市内では,ウクライナ情勢に関する反戦集会や反政権活動家への判決に対する抗議集会等が断続的に開催されています。これらの活動はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて参加が呼びかけられ,参加者は数千人,数万人規模となる場合があります。現時点では,これらの活動は平穏に行われていますが,一部の無許可集会等の参加者が治安当局に逮捕されていますので,無用なトラブルを回避するためにもこれらの集会やデモには近づかず,万一遭遇した場合には直ちに現場から離れるよう留意してください。
また,2016年9月18日には国家院(下院)選挙及び地方首長・議会選挙(含むチェチェン共和国)が行われます。現時点では,同選挙前後に混乱が生じるとの情報はありませんが,同期間中の政治的な動きや反体制派の動きには十分に注意する必要があります。

イ ロシア中西部に位置するタタルスタン共和国では,2012年7月,イスラム教指導者が自動車爆弾テロにより負傷する事件が発生しています。また,同年8月にも自動車爆弾テロにより3人が死亡しています。

ウ ボルゴグラード州では,2013年10月,路線バスをねらった自爆テロが発生し,6人が死亡,50人以上が負傷しました。また,同年12月には,公共交通機関(鉄道駅,バス)をねらった自爆テロが連続して発生し,計34人が死亡,70人以上が負傷しました。ボルゴグラード州では2014年に入ってから現在まで特段のテロ等は発生しておらず,比較的治安は安定していますが,2016年4月8日,テロ活動を準備していた5人のイスラム過激派が拘束されており,シリアのISILへの参加を呼びかけていましたので,渡航・滞在に当たっては十分に注意してください。

エ ソチでは,2010年11月,ソチ駅隣のマツェスタ駅近くで爆発があり,負傷者はなかったものの,列車の運行が一時停止されました。ソチは,「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」の危険情報が発出されている北コーカサス地方と隣接しています。上記のとおり,同地方においてテロが相次いで発生していることを踏まえ,ソチへの渡航に当たっては,十分注意してください。

オ ロシアとウクライナとの国境付近では,現下のウクライナ情勢に伴い緊張が続いていることから,立ち入らないようにして下さい。2015年にはロストフ州のドネツク市やノヴォシャフチンスク市では,砲撃が着弾し,死傷者がでていると報じられています。また,ウクライナと国境を接するロシア側の地域では,関係当局による旅券や査証,滞在通知等の確認が厳格に行われており,査証申請時の日程や場所が異なる旅行を行っている等の違反が認められた場合,長時間拘束される可能性がありますので注意してください。

カ ロシアは国境付近や軍事関連施設等外国人の立ち入りが制限されている場所がありますが,標識等が設置されていなかったり,ロシア語のみの表示であるため,気づかないうちに立ち入ってしまうことがあり得ます。知らない場所等を訪れる際には外国人の立ち入り制限区域がないかあらかじめ旅行会社や地元関係者等に確認し,立ち入りが制限されている場所には近づかないよう注意してください。

ついては,「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」が発出されている地域を除き,モスクワ市やサンクトペテルブルク市を含む,ロシア全土については危険情報「レベル1:十分注意してください。」を継続します。各都市に渡航・滞在を予定されている方は,渡航・滞在に当たって特別な注意が必要ですので,上記の事情を考慮し,不特定多数の人が集まる場所への訪問,公共交通機関の利用,不要不急の繁華街への外出をできるだけ控えてください。仮に,こうした場所に行く必要がある場合には周囲の状況に十分注意を払うとともに,万一に備えて,行動予定を家族や知人等に伝える等安全対策に十分心掛けてください。

3.渡航・滞在に当たっての注意
 滞在中は,上記情勢及び下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。
(1)渡航者全般向けの注意事項
ア 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者など)についても,現地での滞在予定を登録していただけるシステムとして,2014年7月1日から,外務省海外旅行登録(「たびレジ」)の運用を開始しています(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。登録された方は,滞在先の最新の渡航情報や緊急事態発生時の連絡メール,また,いざという時の緊急連絡などの受け取りが可能ですので,ぜひ活用ください。

イ 治安面での注意事項
(ア)外国人をねらった犯罪としては,強盗やスリ,置き引き,詐欺といった金品奪取を目的とする事件が多発しているほか,外国人排斥を主張するグループ等による殺人,傷害事件も多発しており,主要都市では日本人を含むアジア人の被害者も出ています。犯罪手口の詳細等については《安全対策基礎データ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=178 )》を御参照ください。
(イ)テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の関連情報の入手に努め,テロの標的となる可能性がある場所(政府関係施設(特に軍,治安機関など),公共交通機関,大型商業・遊興施設等)にはできる限り近づかない,大勢の人が集まる場所では警戒する,周囲の状況に注意を払う,夜間の一人歩きは極力避けるなど安全確保に十分注意を払ってください。また,テロ事件が発生した場合の対応策を再点検し,状況に応じて適切な安全対策が講じられるよう心掛けてください。
(ウ)夏季には,オートバイにて,ハバロフスク~チタ~イルクーツク~ノヴォシビルスク等を経由した旅行等をする方がいますが,これまでにも,当該ルートでは,邦人が交通事故のみならず,強盗・殺人等の凶悪犯罪被害に遭った事例(2012年5月ザバイカル地方にてオートバイによる単独旅行中の邦人がテントで就寝中にナイフで殺害された)もあり,特に単独での行動時に被害に遭うことが多いことから,無理のない旅行日程の計画は元より,安全なルートの選択,宿泊場所の選定につき十分慎重な検討をしてください。
(エ)最近,モスクワ市内や空港で無許可タクシー運転手による金品強奪事案や法外な額を請求される事例が頻発していますので,正規のタクシーの利用や鉄道等の利用をお勧めします。

(2)長期滞在者向けの注意事項
ア 現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡等に必要ですので,到着後遅滞なく在ロシア連邦日本国大使館又はロシア国内の各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他の届出事項に変更が生じたとき又はロシアを去る(一時的な旅行を除く。)ときは,必ずその旨を届け出てください。なお,在留届は在留届電子届出システム(ORRネット,http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )による登録をお勧めします。また,郵送,ファックスによっても届出を行うことができますので,その場合は滞在される場所の近くにある在ロシア連邦日本国大使館又は日本国総領事館に送付してください。

イ 外出の際には,身の周りの安全に十分注意してください。可能な限り夜間の外出は控える,外出の際は複数人で行動するなどして,犯罪に巻き込まれないようにしてください。また,携帯電話を携行するなど連絡手段を確保するようにしてください。

ウ 「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」の危険情報が発出されている地域に滞在されている方は,不測の事態に備え,食料,飲料水等を備蓄しておくとともに,旅券,貴重品,衣類等をいつでも持ち出せるよう準備しておき,さらに,退避手段等についても常時確認しておくようにしてください。

エ ロシアでは,軽微な行政法違反であっても複数回処分されると国外退去の上,その後数年間再入国ができなくなることがあります。ロシアの法令を遵守することはいうまでもありませんが,日頃の行動には十分注意してください。

4.隣接するアゼルバイジャン,ウクライナ,カザフスタン,ジョージア,ベラルーシ,中国及び北朝鮮について,別途それぞれ「危険情報」を発出していますので,これらの情報にもご留意ください。


(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
 電話:(代表)03-3580-3311 (内線)5140
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
 電話:(代表)03-3580-3311 (内線)3047
○海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/
  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)

(現地日本国大使館・総領事館連絡先)
○在ロシア連邦日本国大使館
住所:Grokholsky Pereulok 27, 129090, Moscow, Russia
電話: (市外局番495) 229-2550又は229-2551
   国外からは(国番号7)495-229-2550又は229-2551
ファックス: (市外局番495) 229-2555又は229-2556
   国外からは(国番号7)495-229-2555又は229-2556
ホームページ:https://www.ru.emb-japan.go.jp/japan/index.html
○在ウラジオストク日本国総領事館
住所:Ulitsa Verkhne-Portovaya 46, Vladivostok, Primorsky Krai, 690003, Russia
電話:(市外局番4232)26-75-02又は26-75-13又は26-74-81
   国外からは(国番号7)4232-26-75-02又は26-75-13又は26-74-81
ファックス: (市外局番4232)26-75-41又は620-121
   国外からは(国番号7)4232-26-75-41又は620-121
ホームページ:https://www.vladivostok.ru.emb-japan.go.jp/jap/index.html
○在サンクトぺテルブルク日本国総領事館
住所:Nab. Reki Moiki 29, Sankt-Peterburg, 190000 Russia
電話: (市外局番812) 314-1434又は314-1418
   国外からは(国番号7)812-314-1434又は314-1418
ファックス: (市外局番812) 710-6970
  国外からは(国番号7)812-710-6970
ホームページ:https://www.st-petersburg.ru.emb-japan.go.jp/indexjp.htm
○在ハバロフスク日本国総領事館
住所:Ulitsa Turgeneva 46, Khabarovsk, Khabarovsky krai, 680000, Russia
電話: (市外局番4212) 413044又は413045又は413046
   国外からは(国番号7)4212-413044又は413045又は413046
ファックス: (市外局番4212) 413047
   国外からは(国番号7)4212-413047
ホームページ:https://www.khabarovsk.ru.emb-japan.go.jp/j/
○在ユジノサハリンスク日本国総領事館
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電話:(市外局番4242)72-60-55又は72-55-30
   国外からは(国番号7)4242-72-60-55又は72-55-30
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   国外からは(国番号7)4242-72-55-31
ホームページ:https://www.sakhalin.ru.emb-japan.go.jp/