浦潮だより:ゴーリキー劇場
令和7年1月30日

浦潮だより:ゴーリキー劇場
令和7年1月30日
着任の翌日、安部公房作「友達」のウラジオストク公演を観ることができたのは幸運でした。三浦基(みうら・もとい)監督による演出で、ロシア人の俳優たちが見事なチームワークを発揮して、安部公房の描く不条理の世界に観客を引き込んでいきました。公演の後の質疑コーナーでは、観客からの熱心な質問が相次ぎました。ロシア人の俳優陣が、三浦監督のリーダーシップと演出の妙を口々に絶賛していたことを大変嬉しく思いました。

その舞台となったのはゴーリキー名称沿海地方ドラマ劇場。当地演劇界の中心になっています。ロシア演劇のレベルの高さ、観客の優れた鑑賞眼には、いつも舌を巻きます。
劇場トップのエフィム・ズベニャツキー監督は、まるで魔法のように人の心を虜にする笑顔の持ち主です。私もすぐに打ち解けることができました。ズベニャツキー氏自身もかつて俳優を務め、日本では、鳥取県境港市で初めて公演したのに続き、1990年代に東京を除くあらゆる地方で公演した経験があるとか。歌手の加藤登紀子さんのウラジオストク公演やその後の交流など、思い出話は尽きません。
劇場トップのエフィム・ズベニャツキー監督は、まるで魔法のように人の心を虜にする笑顔の持ち主です。私もすぐに打ち解けることができました。ズベニャツキー氏自身もかつて俳優を務め、日本では、鳥取県境港市で初めて公演したのに続き、1990年代に東京を除くあらゆる地方で公演した経験があるとか。歌手の加藤登紀子さんのウラジオストク公演やその後の交流など、思い出話は尽きません。

その次にゴーリキー劇場に招かれた演目は、「フレガート・ソフィア」でした。舞台は1920年代のウラジオストク。日本海軍の将校タガキと恋に落ちた主人公ソフィアが、ロシア革命後の内戦を逃れ、タガキと結婚して日本に移住し、文化の違いに戸惑いながらも愛を貫くというストーリーです。俳優は全員ロシア人なのですが、随所で日本語の台詞が飛び出したのには、不意に耳元で音がしたように感じて、びっくりしました。
ズベニャツキー氏による演出作品を観てほしいと薦められて、「女性だけのジャズバンド(В Джазе только Девушки)」も観に行きました。歌と踊りが楽しいコメディ・ミュージカルで、原作は米国のピーター・ストーン。舞台は1930年代のシカゴ、そしてフロリダです。映画版を観たことがあるかと聞かれたので調べてみたところ、なんとマリリン・モンロー主演の「お熱いのがお好き(Some Like It Hot)」(1959年)でした。ロシア語のセリフと歌で、アメリカ人ジャズバンドやギャングが繰り広げる喜劇。何とも不思議な組み合わせでしたが、モンローの演じたヒロイン「シュガー」の純真さが蘇るようでした。人間の友情や恋心は、時代や国を超えて共通なのだと改めて感じました。
ズベニャツキー氏による演出作品を観てほしいと薦められて、「女性だけのジャズバンド(В Джазе только Девушки)」も観に行きました。歌と踊りが楽しいコメディ・ミュージカルで、原作は米国のピーター・ストーン。舞台は1930年代のシカゴ、そしてフロリダです。映画版を観たことがあるかと聞かれたので調べてみたところ、なんとマリリン・モンロー主演の「お熱いのがお好き(Some Like It Hot)」(1959年)でした。ロシア語のセリフと歌で、アメリカ人ジャズバンドやギャングが繰り広げる喜劇。何とも不思議な組み合わせでしたが、モンローの演じたヒロイン「シュガー」の純真さが蘇るようでした。人間の友情や恋心は、時代や国を超えて共通なのだと改めて感じました。