浦潮だより:伝統の継承
令和8年1月23日
チェーンソーで彫られた干支の馬:防府天満宮にて
蹄にはハートマーク:防府天満宮ホームページより
浦潮だより:伝統の継承
令和8年1月23日
年末年始に一時帰国した際、「ザ・ロイヤル・ファミリー」という日本のテレビドラマを観ました。競馬界を題材にして馬主や牧場経営者の親子を描く、親から子への「継承」をテーマにした作品です。かつて乗馬体験で感じた馬の背中の暖かさを思い出しつつ、疾走する馬の美しさ、大勝負を賭けたレースの興奮に惹き込まれました。

16年前の乗馬体験
合同ガラ・コンサートのパンフレット
マリインスキー劇場沿海地方ステージのクリスマスツリー
継承と言えば、ロシアには綿々と受け継がれてきたバレエがあります。昨年12月、モスクワのボリショイ劇場、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場のダンサー達を迎えて、ウラジオストクで合同ガラ・コンサートが開催されました。世界最高レベルの演技に心を揺さぶられる中、特に私個人にとって感動的だったのは、千野円句(ちの・まるく)さんがボリショイのソリストとして堂々と踊る姿でした。10年以上前の話になりますが、千野真沙美(ちの・まさみ)先生の指導するモスクワ日本人学校のバレエ教室は、毎年、日本大使館のホールで発表会を開いていて、ボリショイ・バレエ学校の生徒だったご子息の円句さんがゲスト出演してくれました。父兄の私たちが懸命に敷き詰めたリノリウム・シートの上で、円句さんが披露した水兵のキャラクター・ダンスが目に焼き付いています。その彼が今やボリショイのソリストとして大舞台で輝いているなんて、感激もひとしおでした。
高松市の発表会パンフレット
岡山に向かう車窓から: 瀬戸内海の夕日
年末に帰国すると、香川県高松市で地域のバレエ教室の発表会がありました。幼い子供から大人まで出演するアマチュア発表会ですが、趣味でバレエを続けてきた大学生の息子がゲスト出演するので応援に行きました。ステージ上の息子を観るのは8年ぶりでしょうか。その成長振りに目を見張るとともに、指導者の先生方への感謝で胸が熱くなりました。家路に就くと、瀬戸内海を岡山へと渡る電車から眺める夕日が格別に美しく見えました。
さて、新年に入ってウラジオストクに戻る途上では、ベラルーシにバレエ留学する日本の青年達と出会いました。北京空港で乗り継ぎのため保安検査場に並んだ時、偶然に隣り合わせたのです。ミンスクに勤務していた頃、バレエ学校の卒業公演に毎年招かれるのが楽しみでした。コロナ禍以降、ベラルーシと日本のバレエ交流は途絶えたと思っていたのですが、今は再開したようです。次のフライトの出発時間が迫っていたため、ろくに自己紹介できなかったのが心残りですが、彼らの留学生活が充実したものになるよう願っています。また、長年に亘って培われてきたバレエ交流が継承されていくことも。
T.M.