浦潮だより:金魚

令和8年4月15日
オブホフさんのアトリエにて
鎌倉大仏

浦潮だより:金魚

 令和8年4月15日
 

浦潮だよりの読者からアドバイスを受けて、画家のイーゴリ・オブホフさんのアトリエを訪問しました。日本、中国、東南アジア諸国を巡った時の印象を題材にして、時にはウラジオストクの海や灯台のイメージと組み合わせながら、素敵なハーモニーに満ちた作品を描いていらっしゃいます。2011年の東日本大震災から間もない頃に訪日し、21日間にわたって横浜に滞在したそうです。震災の後、日本人が秩序を守って生活する様子が大変印象深かったと話してくださいました。また、知人の案内で鎌倉や江ノ島を訪ね、大都会のすぐ近くに、歴史的建築物や古い街並みがたくさん残っていることにも感銘を受けたそうです。オブホフさんの鎌倉大仏の絵は、縦長のキャンバスに大仏へとまっすぐ伸びる参道が印象的です。日本滞在後、しばらくの間はどのように作品化するか時間を要したものの、歌川広重や葛飾北斎の浮世絵から着想を得て、これらの作品が生まれたそうです。富士山を背景とする作品も多数あります。

ところで、私は鎌倉の古い街並みが大好きなので、極楽寺駅周辺が中心舞台だったドラマ「最後から2番目の恋」は何度も繰り返し観ました。娘役の「えりな」を演じる白本彩奈(しらもと・あやな)さんは、母がベラルーシ人、父が日本人で、子役の頃からとても魅力的です。かつて六本木にあったベラルーシ料理店「ミンスクの台所」には、父親役の中井貴一さん、ヒロイン役の小泉今日子さんと白本さんが、実の親子のように一緒に写っている写真が飾られていました。2024年に公開された映画「箱男」では、白本さんがヒロインを演じています。ロシアで人気の安部公房が原作の映画ですから、是非いつか、ウラジオストクやミンスクで上映したいものです。
金魚とバサルギン灯台
28の願い事
さて、もう一つ、オブホフさんの作品で眼を惹いたのは、ビニール袋に入った金魚です。この金魚は日本の縁日ではなく、東南アジアで見かけたものだそうですが、ウラジオストクの海や灯台と組み合わせて、心地よい調和を生み出しています。アトリエからの帰路、同行した館員が、「特に金魚の絵が印象に残りました。僕は金魚すくいで全国大会まで勝ち進んだことがあるのです。準決勝で敗退してしまいましたが。」と呟くではありませんか。そんな特殊技能を有する人物が身近にいることに驚きました。彼の腕前も、いつかウラジオストクで披露してほしいものです。
友達、富士五湖

お土産としてオブホフさんから頂いた絵画集には、「友達、富士五湖」という作品がありました。チェブラーシカとキティちゃんが富士山をバックに仲良く並んでいます。私自身は、この絵が一番気に入りました。

T.M.