浦潮だより:碧色の街
令和7年3月14日

浦潮だより:碧色の街
令和7年3月14日
ウラジオストク空港に着いて荷物のターンテーブルに向かうと、灯台写真の数々が目を惹きます。ある広告曰く、「ウラジオストク、ここではすべてが海のように沢山。すぐそばに海。」その謳い文句に誘われて、ウラジオ名物の灯台を訪れてみました。


総領事館から車で15分ほど行くと、トカレフ岬の灯台が白い姿を見せます。遠くにルースキー橋を眺めつつ、突端の灯台まで伸びる一本道を、冬でも多くの人が散策していました。満潮時は水面下に沈む道だそうです。今は海が凍っていてベンチに人影はなかったですが、夏の賑わいが目に浮かびました。瀬戸内生まれの私にとって、海に囲まれた生活はとても気持ちが和みます。

先月、10年振りに歩いたモスクワは、新年のイルミネーションも華やかに、「ここは銀座か」と思わせるようなレストランも増えましたが、雪と雲に覆われていました。それに対してウラジオストクは、青い空と海が目に沁みる、碧色の街です。

そういえば、沿海地方国立絵画ギャラリーでセルゲイ・ゴルバチョフ展「東方への真珠の道」を鑑賞した時に、トカレフ岬の灯台を描いた作品もありました。ホールの奥には日本をテーマにした作品集が。近づいて目を凝らすと小さな人物や建物が浮かび上がってくる不思議な作風は、日本在住のご子息を訪問するうちに自然と生まれたそうです。緑と桜色を基調とする日本作品集の中で、特に桜の色が心を打ちました。


昨日は、アリョーナ・ダツェンコ館長の紹介で、ゴルバチョフ氏のアトリエを訪ねました。ご夫妻に満面の笑顔で出迎えて頂き、美しい絵に囲まれて楽しいお話が尽きません。初めての訪日は、貨物船で日本の中古車を買い付けに行ったそう。夫人も、トヨタ・マークIIの買い付けで訪日した時の冒険談を聞かせてくださいました。現在はご子息もお孫さんも芦屋在住だそうです。
いつの日かゴルバチョフ氏の個展を日本で開催できれば素晴らしいですね、と話し合いました。日本をテーマにした作品も見事ですが、霧に包まれた6月のウラジオストクを描いた作品も素敵でした。日本で関心のありそうな知人を探してみたいと思います。
いつの日かゴルバチョフ氏の個展を日本で開催できれば素晴らしいですね、と話し合いました。日本をテーマにした作品も見事ですが、霧に包まれた6月のウラジオストクを描いた作品も素敵でした。日本で関心のありそうな知人を探してみたいと思います。